くらし情報『テレビ・ワンシーン考現学 (1) 「突然の雨」はドラマの場面転換としてさすがに使われすぎている』

2015年4月20日 08:00

テレビ・ワンシーン考現学 (1) 「突然の雨」はドラマの場面転換としてさすがに使われすぎている

「告白」と「突然の雨」が絡み合うシーンは、(夜では雨の度合が映し出せないから)必然的に夕方が多くなる。

ここで、夕立とゲリラ豪雨の違いを学習しておきたい。ゲリラ豪雨の難点は、地域や時間の事前予報が難しいこと。これが夕立との大きな違い。積乱雲が発生してからでないと、ゲリラ豪雨の発生が読めないのだ。『天気と気象 異常気象のすべてがわかる!』(佐藤公俊・著/木本昌秀・監修/学研)によれば、「夕立は地表面の暖まる午後に生じるが、ゲリラ豪雨が起きる日は朝から強いレーダーエコー(レーダー受信された電波)が点在するのが特徴。夕立は大規模な積乱雲が発達しないので、被害を生む大雨にはならない」という。昼ドラが得意とする「バケツをひっくり返したような夕立」はそもそも起きにくいし、夕立は当日の天気予報でもある程度予測されている。
しかし、ドラマの中では誰も傘を持っていない。○「この突然の雨はドラマ上の演出です」

となると、傘も持たずにずぶ濡れになっている人が浴びている「突然の雨」は、夕立ではなくゲリラ豪雨である可能性が高い。これはとっても危険だ。友達以上恋人未満の間柄がやっぱり恋人なんじゃないかと互いに気付いたからといって、挿入歌のバラードを流しながら、橋の上で抱き合っている場合ではない。

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