高橋洋子が蘇らせる20世紀の名曲たち - カヴァーアルバム第二弾「20th century Boys & Girls II」
――『ふしぎなメルモ』の主題歌では、面白い取り組みが行われていますね
高橋「手塚作品から一曲入れたいと思っていて、いろいろな候補が挙がったのですが、その中でもこの曲は、自分が10才のころにカヴァーしたことがあったので、当時の歌声と今の私が、時空を超えてデュエットしたら面白いだろうなと思って提案しました。ただ、それを実現するためには、まずマルチトラックの音源を探すところから始めなければならなくて(笑)」
――よく音源が残っていましたね
高橋「本当によく残っていましたよね。実際に歌ってみて感じたのは、10歳の頃の私はパンチが効いているんですよ、若いから。その声にはやっぱり敵わない(笑)。あと、『ふしぎなメルモ』の歌詞って、大人になったり、子どもになったりするじゃないですか。それを、子どもの私と大人の私が歌っているわけですから、すごく不思議な一致だと思いませんか? これは後になって気づいたことなんですけど」
――最初から狙っていたわけではないのですか?
高橋「本当に偶然の一致です(笑)。手塚先生の作品で、自分が10歳の頃にソロで歌ったのがこの曲しかなかったから採用されたわけで、本当に不思議な縁だと思いました。