五月病は腸から治す? - 名医に聞いた幸せ腸内環境の作り方
「善玉菌が減る理由として、エサとなる食物繊維が不足するためだけでなく、腸の粘液などの量が減り、細菌の活性が落ちることも考えられます。ストレスも30~40代あたりから増えるので、そういったことも要因として考えられます」。
「腸内の環境が荒れると、炎症が生じ、セロトニンが減ります。そうなると、便秘にもなりやすくなります。ちなみにうつ病患者は基本的に便秘です」(同)であり、腸内環境を整えるためには、内側と外側の両方からの取り組みが重要だといいます。「内側は食事、外側は運動で整えますが、運動はしたくないという人も多いと思います。ですが、過度な運動は不要で、3~4秒程度息を吸って、口をすぼめて6~8秒間で吐く、といった呼吸法を1日3分もやれば十分です。これをやると、副交感神経の働きを高めて、腸の運動が促されるのです」。
では、内側に向けた食事はどうすればよいのでしょう。答えは腸の外部から「菌」を連れてくる、ということになります。どんな菌が良いのか、というと、「発酵食品であればなんでも良いです」とのこと。「最近の研究では、新たな菌を外部から腸内に投入してやると、もともと腸内に居た菌が刺激を受けて活性化し、動きが鈍っていた菌たちの動きが改善されるのではないかという、考えになっています」