2015年5月29日 12:00
小売・流通業とマーケティングのトレンドを読み解く (1) オムニチャネルとは、消費活動の"いま"を読み解くこと
という動きをしましたが、本当に成果が出ている会社はこの言葉に引きずられず、オムニチャネルを一つの手段として参考とし、自社のお客様を見つめなおすことに専念している会社です。
そういった意味で、私は、オムニチャネルを検討する際には原義にこだわらず、「スマホ時代の消費行動に対応することを目的とした経営戦略」と捉えておくべきと考えています。(あるいは、オムニチャネルという言葉を外してしまってもよいかもしれません)
○オムニチャネルは、業種を超えて注目すべき取り組みに
消費者の行動の変化に対応するための戦略であるオムニチャネルは、当然、最も消費者と近い位置にいる小売・流通業が先駆的な役割を果たしていますが、最近は、メーカーや金融業など、幅広い業種に拡がりを見せ始めています。
例えば、欧州の銀行では「利用しているチャネル数」が顧客生涯価値 (顧客が一生に支払う金額)と関連性があることに着目し、より多くのチャネル利用を促進するような取り組みを始めています。
今後、新しい消費行動が浸透していくにつれ、広義での "オムニチャネル" は益々重要性を増していきます。本連載でも関連した動きを取り上げていきたいと思いますので、是非ご注目いただければと思います。