丘山晴己×小野塚勇人×山口乃々華「自分たちにしかできない作品に」 韓国発ミュージカルへの挑戦
――物語そのものがミュージカルじゃなくても響くものがあるとのことですが、本作のそのもの魅力をどう感じていますか?
丘山:サスペンスと言っていいのか、謎めいた感じですよね。お客さんとともに謎解きをしていくストーリーだと思いますが、そういう意味でマットの多重人格の面白さを全面的に見ていただくストーリーでもあるのかなとも思っています。虐待や解離性同一性障害などのメンタルを描く作品はミュージカルではなかなかないような気がして、すごく魅力を感じています。
小野塚:難しいので自分にとっても挑戦ですが、どういうメッセージ性をもってこの作品と向き合えばいいのかはずっと考えているところです、それがジョアンとの愛のテーマなのか、親との愛なのか、愛を求めてのマットの反抗だと僕は捉えてはいるのですが、それをうまく歌やミュージカルというエンターテインメントに乗せて表現することが最大の魅力だと思います、本当に暗いのですが、暗いだけではない、しっかりと楽しめる要素があります。山口:初めて読ませてもらった時に何がなんだか全然わからなくて、何回も読み返しました。メモに取らないとわからないくらい、複雑に絡み合っているんです。