2015年7月9日 12:00
歌舞伎フェイスパックが挑む! 中国巨大市場 - 一心堂本舗の越境EC戦略
特に開発の初期段階では、他製品とコラボレーションの少ないコンテンツ(ここでは歌舞伎)とのタイアップで、驚きのある企画を狙いました」(戸村氏)
同フェイスパックは、徐々にネットにてクチコミが広がり、話題に乗ったタレントがフェイスパック写真をSNS上にアップしたことから、メディアでも相次いで紹介された。
その最中の2014年11月、同社のオンラインショップへ突然中国から大量の注文が届いた。調べてみると、女優のアニタ・ユンや蒼井そらなどの有名人が微博(ウェイボー : 中国版のTwitter)に同フェイスパックを着用した写真を投稿し、それがテレビに出たことで注文が殺到したことが原因だった。後に、中国のECサイトでの転売が相次いでいることが判明したほか、1カ月ほど過ぎた頃、転売だけでなく模造品を作って販売する企業も多数確認されるようになった。
「中国の消費者に向けて、『本物はこちらです』とアナウンスをしたいのですが、輸出となると非常に時間がかかってしまう。スピードを考えて越境ECという手段を選択し、商品を提供すると同時に消費者とコミュニケーションを取っていこうと考えました」(戸村氏)
○中国に行けば儲かる、わけではない
当初は全く予定していなかった海外進出だけに、経験もノウハウもない。