2015年9月17日 10:30
航空会社のつくりかた (5) JAL・ANAと戦えるブランディングを! "母なる彗星"の裏にエアバスの苦悩あり
現在の機体の「顔」に落ち着くことができた。
○「マザーコメット(母なる彗星)」の衝撃
2005年5月に行ったブランディング発表会では、デザインという切り口だけでなく、「どんなエアラインにしたいのか」という我々の想いを伝えることが重要だった。それが「マザーコメット(母なる彗星)」という基本コンセプトである。
乗っていただいた乗客に「あ、この会社、いいな」とまず感じてもらえること。それが「他にないものだね」という感動につながり、それを世界中に振りまいていければ、との想いを表したコンセプトだ。松井氏が我々の想いと自らの考えを昇華しつくした上で提示いただいたものだと感じ、これを見た時は身内ながら正直感動した。
しかし、ブランディングとはそんなたやすい代物ではない。制服、機内インテリア、サービス、広告など具体的なモノをどうするかとなると必ず好き嫌いの違いが表面化し、ディテールを作る過程では反対論は噴出するのだ。
それも社内、地元、どこからでも。この平坦でない道のりについては後に触れたい。
※本文に登場する人物の立場・肩書等は全て当時のもの
○筆者プロフィール: 武藤康史
航空ビジネスアドバイザー。