くらし情報『テレビ・ワンシーン考現学 (17) 「思わず寝坊してしまった!」を考察する』

2015年10月5日 11:00

テレビ・ワンシーン考現学 (17) 「思わず寝坊してしまった!」を考察する

実際の事象としては、寝坊はただただ残酷であり、リアルに人間関係やビジネスを決壊させるわけだが、寝坊をポップに撮りたがる人々は、寝坊をエンタメ化させる。目覚まし時計を両手で持って「えーうそー」なんて言っている暇はないのだが、じっくり寝坊と向き合うのである。

○このドラマはベタですと知らせる

鳴り響く目覚まし時計に気付かずに寝たまんま、という描写も根強い。目覚ましの音にちょっとだけ反応して「むにゃむにゃ」と小声を出したりするのだが、起きることはない。一度手にした目覚ましが、寝相の流れのなかでベッドから落としてしまうというケースを見かけるが、本来はなかなかの偶然である。偶然をカウントしてみる。寝ぼけ眼で自分のところに目覚まし時計をたぐり寄せて(1)、その後で落としてしまう(2)。落としたことによって自分の耳元ではないところで再度鳴る(3)、その音に気付くことがない(4)。
奇跡的な連鎖だが、寝坊とはもっとシンプルに、鳴る、でも起きない、という残酷なものである。

時間に追われているオレが好き、という人は一向に減らない。経験上「あっ、そこの時間だったら何とかなります」とか言ってくる人は、往々にして、その前後の時間を指定し直しても別に大丈夫であることが多い。

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