2015年11月12日 12:33
「ThinkPadの父」が語るThinkPad開発の歴史 - 歴代モデルも勢ぞろいしたレノボ・ジャパン設立10周年記念事業説明会
第1世代は1992年から1999年まででThinkPadというブランドの創世記となる。初代ThinkPadの「ThinkPad 700C」からはじまり、最上位モデルには次々と機能が盛り込まれ、一方でエントリーの300シリーズや薄型軽量を目指した500シリーズ/600シリーズと製品自体のラインナップも拡充された。
この時期、オーストラリアのユーザーから"非常に激しく壊れた"ThinkPadが戻ってきた。内藤氏は「それをみたときに開発陣は愕然とした。当時のThinkPadは70万円は必ずしていたので、われわれは"70万円もする製品だからきっと大事に扱ってもらえるだろう"と考えてきた。しかし返ってきた製品はそうではなかった。ツールというのは大切に使ってもらうのではなく、お客さまがどのように使ってもストレスがないように作らなければならないと学んだ」という。
これを契機にテストの仕方も変化した。
それまで要求スペックに対してまでのテストしかしていなかったところ、どこまで何をしたら機械が壊れるかというテストをしたうえで、その次のレベルを目指すようになったという。「機械を見るのではなく、機械の先にいるお客さまを見るという文化が確立されたと思っている」