くらし情報『抱きしめてヴィーナス - 探査機「あかつき」、金星への帰還 (1) 「あかつき」はこうして生まれた』

2015年12月8日 12:37

抱きしめてヴィーナス - 探査機「あかつき」、金星への帰還 (1) 「あかつき」はこうして生まれた

○金星環境に耐える「あかつき」

PLANET-Cの開発は2004年に始まった。2001年に承認された提案に手を加え、設計を詰める作業が行われたが、中村さんによれば、これにはプロジェクト・エンジニアを務める石井信明さんが辣腕を振るったという。

PLANET-Cの開発では、特に金星環境にどう耐えるかが重要となった。金星は地球よりも太陽に近いため、探査機が受ける熱の量も大きくなり、放っておくと壊れてしまう。そのため、太陽から受ける熱や、探査機内部から出る熱をうまく制御する必要がある。

実際の開発と製造を担当したNECによれば、「熱設計が大変だった」と語る。機体の随所には、いかに放熱する面に太陽光を当てないようにするかという工夫が施されている。特に、地球と大容量の通信を行うための高利得アンテナも、検討時はお椀のような形でおなじみのパラボラ・アンテナだったが、これだとアンテナが太陽のある方向を向いたときに給電部に集光し、温度が上がってしまうため、平面状のアンテナ(ラジアルライン給電スロットアレイアンテナ)が新たに開発された。


また、探査機の両側にそれぞれある太陽電池の格納方法にも工夫が施された。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.