25歳のあなたへ。これからの貯"金"講座 (33) コミックエッセイ『産まなくてもいいですか?』が描く30代働く女性のリアル(前編)
「心から欲しいと思えない私は女失格なのだろうか」。(もちろん、そんなことは、ありません!)
色々課題があっても「子どもが欲しい」と心が決まれば、チホの環境なら産むことはできそうです。経済的な問題はあまりない様子。育休復帰した女性もいる職場だから、両立はたぶんできそう。根が優しそうな夫は、きっと育児を手伝ってくれそう…。
○少子化について考える、すべての人に読んでいただきたい本
でも、チホが迷ってしまう理由もよく分かります。職場では異動したばかり。男性部長は新年のあいさつで、育休中の女性社員を指してこう言います。
「彼女もじき戻ってくると思うけどたぶんしばらく時短だからここで他の人にも抜けられると困るので妊娠出産にはくれぐれも気をつけてくださいね」。
これを聞いた結婚2年目のチホと、新婚の女性社員は目を丸くします。客観的に見たら「マタハラ発言」ですが、糾弾する気になれない職場の現実もあるのです。仕事はチームプレーが多く、ひとり抜けただけでも大変なことは、よく分かる。育休中の女性社員が職場に赤ちゃんを連れてくると、みんな歓迎する雰囲気もあるのです。
だからチホは考えます。仕事を続けようと思ったら、できないことはなさそうだ。