2016年2月2日 13:00
カーエレクトロニクスの進化と未来 (84) ルネサスのクルマ用半導体の戦略と戦術(後編)
0.9リットルはモータの中にECUプリント回路基板を搭載してしまったもの(図3)。モータ専業メーカーの安川電機も1~2年前に試作した例を見せたが、マイコンメーカーがモータにインバータを集積して見せたのはこれが初めて。
モータ制御回路の効率を上げるためにマイコンからドライバIC、パワー半導体までを組んで実証しなければならないが、それを短期間で開発するためにまずはシミュレーションで確認することが重要。ルネサスはデバイスを作る前に、モデルベースでシミュレーションし、動作を確実にするという手法も開発している。
○メンテナンスの向上
セキュリティを含めた安全分析、安全対策をサポートする制御プログラムを更新するサービスも提供する。クルマの持ち主はディーラーに行かなくてもプログラムのアップデートができる(図4)。このためのプログラムの更新、診断、修復をフラッシュマイコン+セキュリティ技術でメンテナンスできるようにして行く。それもOTA(Over the air)ネットワークなどを通じてフラッシュマイコンのプログラムを更新する。
さらに、クルマを外部のハッカーから守るためのセキュリティにも力を注いでいる。