くらし情報『カーエレクトロニクスの進化と未来 (84) ルネサスのクルマ用半導体の戦略と戦術(後編)』

2016年2月2日 13:00

カーエレクトロニクスの進化と未来 (84) ルネサスのクルマ用半導体の戦略と戦術(後編)

これにより、細かい分解能のタイミングでエンジンを制御できるため、燃費が良くなりガソリンの消費量が減ることになる。点火に必要な高耐圧ICの性能も上げ、0.18μmの市販品と比べ90nmに微細化した高耐圧ICは1.5倍の電流密度を上げることができる。面積当たりの電流を増やすことができるため、安い価格で電流を高速にスイッチできることになる。

EV/HEVに使うモータ制御にもマイコンは大活躍する。クルマではできるだけ低コストで高性能を実現させることが不可欠。このために2台のモータを1個のマイコンで制御するほどの性能を実証している(図2)。モータ2台が必要なのは、HEV/EVの駆動用のモータと、回生ブレーキ用のモータ(正確には発電機(ダイナモ))を動かすために必要だからである。マイコン1個であってもドライバとパワー半導体はそれぞれのモータに必要だが、低コストでワイヤハーネスも少なくできれば大きなメリットとなる。
将来、EVのコストがさらに下がり走行距離が伸びれば、4WB車を駆動する場合にも使える技術となる。さらに電力効率の向上によりパワーインバータを小型にできるが、インバータの堆積を従来の4.9リットルから2.9リットル、さらには0.9リットルへと小型にしたデモも見せた。

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