くらし情報『カーエレクトロニクスの進化と未来 (84) ルネサスのクルマ用半導体の戦略と戦術(後編)』

2016年2月2日 13:00

カーエレクトロニクスの進化と未来 (84) ルネサスのクルマ用半導体の戦略と戦術(後編)

情報系のシステムはセキュリティが入り込みやすい。このため、情報系から制御系(走る・止まる・曲がる)にデータを手渡す時に、認証方式などのセキュリティの壁を設けておく。

○安全性の向上

交通事故を防ぐための安全性の向上も欠かせない。安全性を上げるためには、人やクルマをセンサによって認識し、その結果を制御系システムにつなげて、ブレーキを制御し、ハンドルや姿勢も制御する。認識や意味理解には演算リッチなSoC、ブレーキやハンドルなどの制御には制御命令主体のマイコンを使うが、両方が得意な半導体メーカーがルネサスだ、と執行役員常務の大村隆司氏は強調する。

制御用マイコン「RH-850/P1x-C」は、ISO 26262機能安全規格のASIL-Dレベルに適合しており、いろいろな診断機能を備えている(図5)。車載のセキュリティHSM(Hardware Security Module)にも対応しており、高性能で最大8MBという大容量フラッシュを内蔵し、4チャンネルCANやFlexRayなど合計20チャンネルもの接続インタフェースを持つ。それでいながら消費電力は0.9Wしかないため、熱設計が簡単で特別な放熱フィンは要らない。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.