エンタープライズ0.2 - 進化を邪魔する社長たち - (354) 120万人が消えたパクリ0.2
○ゲスの呪いと2次創作
秘書による金銭授受を巡る騒動で、大臣を辞任した甘利氏。これにより影響がでるかもしれないのが「2次創作」の世界です。
既存の漫画作品やゲームをベースに作られた作品を指し、ぶっちゃけていえば「パクリ」です。しかし、著者も出版社も、その多くを黙認してきました。理由は、「2次創作」からプロになった作家が多く、何よりオリジナル作品への敬意を出発点としているからです。
甘利さんが主導していた「TPP」では、被害者の訴えによる「親告罪」だった著作権が、捜査機関が摘発できる「非親告罪」になるとされていました。いったんは親告罪のままとされていますが、締結までに「2次創作」が摘発対象になる可能性は捨てきれません。TPPの最大相手国である米国は、浦安のテーマパークに代表される著作権ビジネスの権化です。
タフネゴシエーターと鳴らし、大臣時代「非親告罪化を制約なしに認めることはない」と国会で答弁している甘利さんならともかく、後任の大臣では、交渉力・調整力に不安しか見つかりません。
そもそも日本人は伝統的に、パクリに寛容な文化です。「トランジスタラジオ」や「自動車」の例を引くまでもなく、模倣する能力に長けており、「猿まね」