2016年3月31日 10:00
『週刊新潮』とは何なのか?【前編】 - 創刊60年で育まれた3つの伝統「三題話」「書かない"スクープ"」「下積み10年」
もちろん今は時代が違いますから、デジタルとアナログの融合などいろいろな問題があります。同じやり方ばかりを続けるのはよくありませんが、外からの見え方は「古民家」みたいなものでいいと思っています。どんなにしゃれた外観でも、人々が旅行で癒やされるのはひょっとしたら「古民家」ではないか。そこには新しい物はあまりないかもしれませんが、一度中に入ってみると意外とくつろげることに気づく。「スクープ」という言葉だけにとらわれず、そういう部分での伝統は守っていきたいです。
●『週刊文春』と比較される本音
○自前の記者、書くまでの下積み10年
――現状、その本体は何人体制で動いているんですか。
編集部で忘年会をやる話になると、80人ぐらいは参加しています。ただ、そこにはカメラマン、レイアウター、デザイナー、庶務の方もいるので……実際に記事を作っているのは50人、プラスアルファぐらいです。
――それはライターも含めてですか?
これもまたちょっと変わっているところですが、私らはほとんどライターを使いません。記事は、ほぼ自前の社員が書いています。フリーの方もいますが、人数的には1割強ほど。小さな会社なので、昔から社内でまかなう流れが今も続いています。