マンガ原作・テレビ映画の未来とは? - 『永遠の0』『ドラえもん』プロデューサーが語る「大人が楽しむエンタメ」
客観的な視点からROBOTという会社を作っていきましたが、25年である程度完成されてしまった。当時60歳になる頃だったので、この先自分がやることではないなと思ったんです。
私は数字だけを重視するのではなくて「やってみないと分からない」という思いで映画とかかわってきました。だからこそ、今のROBOTがあると思う。数字のことだけを心配していたら、良い映画なんて作れません。「CMでうまくいってるのに、なぜ映画なんかやるんですか」みたいなことは当時の社員からも聞こえてきました。映画というものは、それほど分からない、計算ができない領域だったんですが、「やってみないと分からない」の精神で推し進めてきて、ある程度会社のブランド力もついたんだと思います。
そういう意味では、独立してからは本当に映画と向き合うことができました。
毎日毎日、多くのことを考えてきた6年間だったなと思います。
――幸せな?
半分は(笑)。100%幸せな人はきっといないと思います。やっぱり、半分は苦しい思いもしていますから。
■プロフィール
阿部秀司
1949年8月7日東京都生まれ。1974年3月、慶応義塾大学法学部を卒業し、同年4月に広告代理店・第一企画(現アサツーディ・ケイ)