くらし情報『『ちはやふる-結び-』が良すぎ! 気になる点6つをプロデューサーに聞いた』

『ちはやふる-結び-』が良すぎ! 気になる点6つをプロデューサーに聞いた

2018年3月29日 11:30
 

関連リンク

・『ハン・ソロ』『M:I』にマーベル新作も! 注目の洋画大作が続々公開
・芦田愛菜の凄まじい成長に川栄李奈ビックリ「本当に14歳なのかな」<劇場版ポケットモンスター みんなの物語>
・ムロツヨシ、木南晴夏の質問「ダメ!」 自身については”ムロロス”心配
『ちはやふる-結び-』が良すぎ! 気になる点6つをプロデューサーに聞いた

●主役から座長となった広瀬すず
3月17日より全国上映中の映画『ちはやふる-結び-』。末次由紀による大ヒットコミックを実写化した同作は、第41回日本アカデミー賞では最優秀助演女優賞を受賞し、トップ女優として活躍する広瀬すずが初主演を務めた『ちはやふる-上の句-』『ちはやふる-下の句-』の続編かつ完結編となる。

百人一首で戦う競技かるたをテーマにした青春物語は、同年代だけでなく大人たちの心も動かし、試写室ではすすり泣きや笑い声が響いた。前作も観客の熱い反応についてプロデューサー取材を決行したが、最新作『結び』についても「これは……あまりにも良さがすぎるのでは……」と思ったマイナビニュースは、今回も北島直明プロデューサーにインタビューを実施。具体的な魅力についてポイントを6つ挙げ、その裏側について話を聞いた。

○(1)広瀬・野村・新田、3人の成長

――『結び』を拝見しまして、やはり広瀬すずさん、野村周平さん、新田真剣佑さんが役者として貫禄すら出てきたな、と思いました。

前作から『結び』までの間は、年齢的にも学校を卒業するようなタイミングですし、自分の生きる道や目標をちょうど見つけていく時期なんですよね。役者としてどう生きていくのか、それを見極める2年間だったのではないか、と思いました。

前作ではあくまでも役としての"主役"だったすずも、今作では明確に本人が"座長"になろうとしていたのを感じました。座長とは「現場の空気を作って、芝居で引っ張り上げていく人」だと思っているのですが、それは今回小泉徳宏監督も僕も彼女に望んだテーマだったんです。今回は『ちはやふる』という出来上がったチームに新しい子たちも入ってきて、どうするのかなと思ったら、すずが率先して、撮影の合間に話しかけたり、食事会を開いたりしていて、2年前とは見違えて成長していたなと思いました。

周平はもともと真面目な男ですけど、この2年を経て、現場において何をするべきか考えて実践していたと感じましたし、最初のかるたの練習の時からその姿勢が見えました。今回太一は、強くならなきゃいけないのですが、かるたの強さをお芝居としてどう見せるべきか、ということを考えながら、ひたむきに練習に臨んでいたんです。2年ぶりのかるた練習にも関わらず、初日から一流のかるた選手の練習法を自分に厳しく課していて、正直「すごいな」と思いました。真剣佑はいろんな現場でも揉まれてきて、いい意味で垢抜けましたよね。今回は自分の役どころをしっかり全うしなければと、藤岡東のメンバーの若い子たちを率先して引っ張っていました。前はずっと周平にくっついていたのに、今回は撮影の時は瑞沢の方にもいかず、自分で後輩たちをまとめることに専念していました。

――続編ということで心がけられた点などはありますか?

『結び』の製作が決定した際に、最初に監督と「2年後を描きましょう」という話をしたんですよ。実は続編製作は、すぐにやろうとすれば撮影に入れて、翌年(17年)の夏に公開、ということも可能だったかもしれないんです。でも監督も僕もこの作品をある種のドキュメンタリーだと思ったので、「すず達の2年後の姿を見てみたい」という思いが強かったですね。「皆が成長すれば必ず前作を超えた映画を作る事が出来る」と信じていました。

原作の『ちはやふる』の原作はどこを切り取っても面白いので、続編でパワーアップをさせるとしたら、役者やスタッフがレベルアップするしかないと考えると、「1年じゃ足りないな」と思いました。少年漫画と一緒ですね(笑)。「蛇の道」や「2万本シュート」、「3D2Y 」みたいな。

もちろん、役者だけではなく、その間に僕も成長しなきゃいけないと思い、違うジャンル映画でも結果出さなければと『22年目の告白-私が殺人犯です-』や『斉木楠雄のΨ難』といった作品を手がけました。一方で小泉監督だけは4年間『ちはやふる』と向き合い続けていたんですよね。本当に心からすごく感謝しています。小泉監督の"映画監督人生"の4年間をすべて『ちはやふる』に費やしてもらった。この時間を絶対に無駄にしてはいけない、というのが、この作品に懸ける僕の想いのひとつでした。

●1番泣けた上白石萌音の言葉
○(2)笑えるシーンの絶妙な間

――マスコミ向け試写室って結構静かだと思うのですが、今回はかなり笑い声も上がっていて、コメディ部分がすごく絶妙だと思いました。

笑いってイメージからの外しなので、特に新のシーンは『上の句』『下の句』のイメージで見たときに、「新がこんなコミカルなことするんだ」というのが、一つのエッセンスになっています。小泉監督が計算してやってたのだと思いますし、緊張と緩和の作り方がすごくうまいですよね。

○(3)さりげない原作ファンへのサービス
――2時間の映画では原作の様々な高校との戦いは描ききれないと思いますが、さりげなく対戦相手の先生などに「あの高校の先生かな?」という人が出てきたりして、向こうにも物語が見えるような描かれ方だったのも素敵でした。

そこはもう、原作ファンへのサービスですね(笑)。学校名も違うし、顔も映していないし、誰だかも言っていないけど、原作を読んでいる人が「あ、いる!」と思ってくれればそれでいいんです。実は『下の句』で新の本屋に猫がいるのも…ね。スタッフ全員がすり切れるほど、原作を読んでますから!

ただ脚本を作り始めてある段階からは、敢えて原作を読み返さないようにしています。1回原作を読むことをやめて、映画が持っている雰囲気や世界観の中に作品が収まってるかを確認するんです。全てを原作と照らし合わせると、逆に原作から出られなくなってしまいますから。原作のダイジェスト、切り貼りを作るのではなく、「映画としてどう成立させるのか」という事を考えることが大事だと思っています。ただし、製作サイドの都合で、原作を歪曲して構成するのは絶対にダメな事です。そのバランスが本当に難しいですね。
○(4)「瑞沢かるた部」というリアルな青春

――どのキャラクターも高校も魅力的ですが、やはり瑞沢高校のかるた部メンバーには思い入れがありますし、本当の青春のようでしたね。

今回僕が1番泣けたのは、(上白石)萌音の言葉でした。「自分の青春時代がいつかと考えると、私は『ちはやふる』です」と言ってくれたんです。女優として、放課後に友達とプリクラを撮るような普通の高校生活を送っていない中で、本当に高校3年間の暮らしのように思ってくれていたのかなと、嬉しくなりました。

矢本(悠馬)は実は前作のオーディションにくるときは「俳優をいつ辞めてもいい」と思っていたそうなんです。ところが『ちはやふる』を経て、「自分は役者として、食っていきたい」という思いが芽生えた。そこから今や、どの映画見ても矢本が出てるみたいな状態ですよね。2年前では考えられない活躍ぶりだと思います。そんな矢本が嬉しい事を言ってくれたんです。「『ちはやふる』に恩返しがしたいです」って。

森永(悠希)は子役からなので芸歴が長いので、2年前からすでに出来上がっていました。地に足がついているし、『ちはやふる』の空気も大事もしてる。でも、彼が撮影中に「僕は、最後まで1回も勝てませんでした。なんで僕は勝たせてくれないんですか?」と言っていて。描写として勝っているところはあるんですが、試合の描写として勝ったところはない。物語として見せ場はもちろんがあるんだけど、もはや「試合に勝ちたい」という気持ちが強くなっているんですね。そういえば萌音も自分が出られない試合で、ずっと拗ねていました。(佐野)勇斗に「私が出たかった」と言ってるんですよ(笑)。

●大人たちも号泣する理由は?
○(5)新キャスト、オリジナルキャラクターの違和感のなさ

――一方で、新キャストや、清原果耶さんが演じたオリジナルキャラクター・伊織も魅力的でした。映画のオリジナルキャラクターって、結構浮いてしまうことも多いと思うんですが、すごくしっくりきていたので驚きました。

浮いてなかったでしょう? 「オリキャラを作りたい」という目的で作り始めると絶対にダメだと思うんですが、今回は伊織を出さなければならない必然性があるんですよ。映画のクライマックスを描くため、近江神宮での団体戦は原作と違う展開になったので、変更を成立させるためには、もう1人キャラクターが必要になったんです。つまり、千早を追い込む選手が必要になった。

千早を追い込むくらいだから、相当強い選手でなければ成立しません。原作に出ている4人のキャラクターを組み合わせているんですが、その強さを映画の中の限られたシーンで示すためには、詩暢と対峙させる必然性も出てきました。そうなると、広瀬すず松岡茉優の前に座っても、彼女たちのオーラに負けることなく、「こいつ、強い」と思わせる人がいなければ、成立しません。そのオーディションで清原果耶に出会ったんです。見た瞬間「この子ならいける」と思いました。目力が違いました。また広瀬・松岡とも違う美人だし、下からの突き上げを見せるために年齢差も出したかったので、ぴったりでした。

――冒頭でもう、びっくりしました。クイーン戦なの!? と。

冒頭で「誰これ」となったら終わりなんです。すごく難しい役でしたし、賢くて自分の役どころがわかっているからこそ、本人もプレッシャーは感じていたと思います。

――優希さん、佐野さんもすごくしっくりきていましたが、皆さんオーディションなんですね。

正直、キャスティングでもいいかも知れないと悩みましたが、仲間たちはみんなオーディションで上がってきているからこそ、同じ経験を踏ませてあげないと、真の仲間になれないんじゃないかと思いました。同じプロセスを踏んできたからこそ、互いにわかる感じってあると思うんです。
○(6)試写室で大人たちが号泣する

――これも試写室の話ですが、もう各所ですすり泣きが起こっていまして、この作品のどこが、それだけ人を泣かせるのだと思いますか?

まずは『ちはやふる』が好きな方々に対して、ちゃんと楽しんでいただけるものを作りたいという思いが節々に現れているのだと思います。さらに、役者も「これが最後だ」という熱い気持ちでやっているから、役を超越した熱が存在している。2年間、キャストもスタッフも誰も彼もが手を抜かずに生きてきて、そして、『前作を絶対に超えてやるんだ!』という強い願いが間違いなく映像に生かされているのだと思います。

そして、この作品はちゃんと監督・スタッフがテーマを決めて作っていたことも大きい。前作の『上の句』『下の句』を徹底的に研究して、良かったところ、悪かったところを全部抽出してハイブリッドにしたのが『結び』です。さらにHuluなどで配信中のスピンオフ『ちはやふる -繋ぐ-』も全部繋がっているので、ぜひ観て欲しいです。

北島直明
日本テレビ 事業局映画事業部。2004年の入社後、営業局を経て、入社8年目より現職。映画プロデューサーとして『藁の楯』『ちはやふる』『オオカミ少女と黒王子』『22年目の告白 —私が殺人犯です—』など、数々の作品を手掛ける。公開待機作に『ママレード・ボーイ』(18)、『50回目のファーストキス』(18)がある。現在は、ハリウッドで『藁の楯』のリメイク製作を手掛けている。

(C)2018映画「ちはやふる」製作委員会(C)末次由紀/講談社

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
子どもの教育アンケート
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
instagram
instagram
twitter
twitter
ピックアップ
上へ戻る

Copyright © 1997-2018 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.