長谷川豊、岡本夏生、上杉隆…出演者の降板劇はなぜ続く? "独立局の星"TOKYO MXへの期待と危うさ
という姿勢がうかがえる。その意味で、『5時に夢中!』『バラいろダンディ』らを手がける大川貴史プロデューサーをはじめ、スタッフの手腕によるところは大きい。
○コアなファン狙いだから逃げられない
そもそもMXはキー局に属さない独立局だけに、番組編成の自由度が高い。ネットワーク内の同時放送に縛られないため、日中は主婦向け、夜は大人の男性向け、深夜はアニメ好きと、極端にターゲットを絞った番組表を作っている。
視聴率やビッグスポンサーの制約を受けにくい分、割り切って「マスではなくコア狙い」に徹して支持を集めているのだ。コアなファンがいる分、視聴率は取れなくても視聴熱は高く、常に「何かが起きそう」という期待感を抱いているため、多少の騒動でソッポを向かれる心配はない。
これは裏を返せば、視聴率獲得を制作の基準にし、ビッグスポンサーの顔色をうかがい、クレーマーやBPOを恐れる「キー局の番組に物足りなさを感じる人が多い」ことの表れでもある。親交のある某キー局のテレビマンは、「MXがうらやましい」と話していたが、その反面、騒動が起きると「『ほら見たことか』と内心喜んでしまう」とも言っていた。
いまだキー局の番組編成や表現に制限が加わり続けているだけに、MXの自由度が際立つのは必然だろう。