小栗旬、大河主演後すぐのシェイクスピア劇にすごさ実感! 舞台は「“勉強”じゃない」
例えば実朝と和田義盛の関係が『ヘンリー四世』のハル王子とフォルスタッフみたいだということとか。どこかでシェイクスピア劇の中での人物像を、鎌倉に置き換えられていると思うんです。でも言葉も全然違うし、演じる方としては、とにかくシェイクスピアは基本的にセリフが長いんだと実感しています(笑)
――たしかに、戯曲を読み込むのも一苦労ですよね。
ただそこは演出の鋼太郎さんが素晴らしい読み解き方をされていて、鋼太郎さんの説明によって自分たちの中でも輪郭が見えてくるんです。セリフを覚えながら台本を読んでた時には「これ、なんなんだろう」と思っていたような箇所が、減っています。
ある意味、もしコロナで中止にならず2年前にこの公演をやっていたら、こういう読み解き方とか受け取り方って、僕らもたぶんしなかっただろうなと思うんです。やっぱりコロナというもので、1度中止になり、そこから自国ではないにしろ戦争というものを身近に感じているわけで、改めて思うのは『ジョン王』は戦争をテーマにした物語だということです。
正直そのまま読んでいくと、物語に対してどうしてこうなるんだ、と思うところもあるんですが、演じてみると思った以上に群像劇のようにみんなに見せ場があって、常軌を逸した状況の中で人間らしさみたいなものが浮き彫りになってくる。