2016年12月29日 10:00
2016年の連ドラTOP10発表! - 大河、朝ドラ、ミステリー、恋愛…終わってみれば名作ぞろい
クロワッサンの食べ方や、ダルマをエッチにたとえるなど、細部のディテールにも遊び心満載。「深夜の昼ドラ」というキャッチコピー通り、ベッドシーンと愛憎劇が入り乱れる様子を30分間で描き切り、しかもオリジナル作品だったことは称賛に価する。「30分の深夜ドラマでもここまで作り込める」という事実を知らしめた意義も大きく、「今年最大の掘り出し物だった」と言ってもいいだろう。
○6位 自由な脚本・演出で時代劇の可能性を広げた『ちかえもん』(NHK)
「人形浄瑠璃の名作『曾根崎心中』の誕生と、作者・近松門左衛門の生涯を描く」という時代劇の可能性を広げるような野心作。スランプに悩みながらもひょうひょうとした近松と、まったく空気を読まず勘違いの多い渡来人・万吉の絡みは楽しく、松尾スズキと青木崇高が役にハマっていた。
さらに、「アホぼん」の小池徹平、遊女の優香と早見あかり、竹本義太夫を演じた北村有起哉など、助演も人情と薄情が入り混じる軽妙さ。キャラ造形だけでなく、音楽や美術などにも自由さをまとわせることで、時代劇とは思えない異質な映像を作り上げた。
なかでも、怒涛の展開でアッと言わせた最終回は出色。