魚を食べると本当に頭は良くなるのか? - 脳に必要な栄養素「DHA」の秘密 (1) 味の素が子供向けDHAサプリメントを発売
●DHAは健康なヒトの身体を支える縁の下の力持ち的な存在!?
○DHAの存在は脳にどのような影響をもたらしているのか
現代の先進諸国の食事風景は先述のとおり西洋的、いわゆる肉類を中心としたものが大半を占める。よくカロリーオーバーという指摘がされるが、その摂取カロリーに占める脂肪の割合が増加(油分過多)している状況ともいえる。そうした状況を鑑み同氏は、「ジャンクフード的な食事の摂取が健康への悪影響を及ぼすと言われていうが、実は脳にも影響を与える点にも注意を促す必要がある」とする。
実際のところ、どのように脳に影響を及ぼすのだろうか。脳の60%が脂肪であることを考えれば、ある程度の油分を摂取することは理に適っている。しかし、その多くは、植物や肉、乳製品などを由来する、いわゆる「オメガ6系」と呼ばれる脂肪酸で、必須脂肪酸としてリノール酸などが知られている。一方で、DHAなどが属するオメガ3系は、緑色葉野菜や海藻、一部のナッツと種子の油に含まれる短鎖多価不飽和脂肪酸であるαリノレン酸を除いたEPAやDHAなどは魚類や海産物に多く含まれており、そうしたものを摂取しなければ、体組織中におけるオメガ3の濃度は下がる一方ということになる。