2017年5月22日 10:00
映画『無限の住人』8人の証言者たち - 「皆さまのもの」になるまで (5) 三池組トラブル処理の"母"「苦労ではなく、それが仕事」 (2人目:坂美佐子P)
すべてガチガチの予算で進めていくわけにはいかないので、Aで使うものをBに持って来て、その補填を別のところから持ってくるとか。そんな計算を常に考えています。
さらに言うと、セットは屋根のみなので、今度は合成が必要になる。VFXの予算がかかって……みたいなことです。
○木村拓哉の終電との戦い
――そういったことが大小含めて無数にある。
そうですね。今日撮影が長引くと、「お弁当どうしよう」とか。それが何日も続くと、「ロケ費大丈夫かな」とか。
心配は尽きません。
――大黒柱的な存在ですね。
プロデューサーですからね。監督とは役割を分担していないと、現場が回りません。楽しんでいる三池崇史を見て、みんながそれに吸引されて作品がどんどん加速していく。すべては、その楽しい空間にいる人たちを支えるために。それが私の仕事です。
――これまで数々の作品で、三池監督と共に歩んで来られましたが、そういった意思疎通もスムーズなんでしょうか。
そうですね。ただ、目的を同じにはできないんです。
例えば、監督があるシーンを2日間かけて撮りたい場合、私の立場上、反対しないといけないこともあります。セットを今日壊して、明日から別の建て込みをしないといけないとか、ロケの日程を組んでいたりとか。