2017年5月27日 12:30
映画『無限の住人』8人の証言者たち - 「皆さまのもの」になるまで (9) 『アイムホーム』が縁、万次を創り出した男「ずっと続いている」 (4人目:メイク酒井啓介氏)
照明込みの質感を確認しながら、嵩上げしていくようなイメージです。
――光の加減も重要になってくるんですね。
もちろんです。照明さんにメイクの仕上げをお願いする感じですかね。セットの中と外、ロケのような環境によっての違いも出てきます。照明さんには足向けて寝られません(笑)。現場に入るとよく分かりますよ、影の出方やツヤの出方も光によって変わってきます。
撮っていくうちに狙いたいものが見えてきて、たとえば目を光らせたいなとか。
そういう時はこそっと照明さんに相談します。そうやって狙う作業が、仕事として面白い。たとえば血糊。殺陣の最後に見得を切るタイミングで血が垂れるように「狙う」。もちろんうまくいかないことの方が多いですが、「狙ってみよう」という遊びが面白いんです。
だから、スタジオの時は特にですが、撮影がスタートする朝の段階でのメイクは、半分という感じ。あとは現場でライティングを見ながら足して引いて、また足してみたいなことを繰り返しています。
○メイクを手伝う木村拓哉
――そういえば、先日木村さんを取材したのですが、メイクの方が原作と自分の顔を見比べて首をかしげられたことがあったとおっしゃっていました。