2017年6月12日 10:30
映画『無限の住人』8人の証言者たち - 「皆さまのもの」になるまで (19) 「木村拓哉は孤独」役者としての姿勢に胸打たれて (8人目:三池崇史監督)
○細やかで心遣いができる人間
――木村さんとの初タッグはいかがでしたか?
同じ時代、同じ国で過ごしているはずなんだけども、他の人間と比べると「こうも違うか」ということだらけですね。同じ現場にいても違うように見えてしまうというか、風景すら違った色になるというか。
ただ……孤独でしょう。あの立場で生きてきて、時にはネット上で叩かれてしまう。誰かに「助けてくれ」とも言えない。彼はそれをずっと、人知れず続けてきたわけですから。根は本当に細やかで心遣いができる人間です。ただ、それを媚びるためには使わない。
ある壁を作っていて、それを突き破るなり、飛び越えるなりできる人たちと付き合っていきたいという潔さを感じます。
――これまで「運命的な出会い」の兆しはなかったんですか?
「この役を木村拓哉で」と本気で思ったことは、今まで一度もなかったですね。
『無限の住人』を映画化するんだったら、木村拓哉を主演にするぐらいの気合いがないと。映画化するだけでも大変なはずなのに、業界の人間は「主演・木村拓哉」と聞いて、さらに驚く。そうならないと面白くないですよね。
○「あえて茨の道を選ぶ」役者
――監督として構えてしまう部分はありましたか?
初めての役者は、「どんな人なんだろう?」