2017年6月12日 10:30
映画『無限の住人』8人の証言者たち - 「皆さまのもの」になるまで (19) 「木村拓哉は孤独」役者としての姿勢に胸打たれて (8人目:三池崇史監督)
という興味が先に湧きます。前もって考えてもしょうがない。結婚するわけではないので(笑)。どんな最悪な状況になっても、撮影自体は2~3カ月で終わるわけですよ。それに、だいたいどんなことでも、振り返ってみると「面白かったな」と良い思い出になる。
「やりやすさ」「やりにくさ」というのは、別に大したことじゃないんです。その点、彼は監督にとっては理想的な役者でしたよ。要求したものに応えられないことがゼロなんです。
どんなことでもやってのけちゃう。または、やってのけようと最大限の努力をする。彼はそれを「自分の武器」としています。
――『無限の住人』以前と以後で彼の印象は変わりましたか?
全然違います。「すごい役者」であることは確かです。普通やらないだろうということを、彼の中にはこだわりがあって、あえて茨の道を選ぶ。もっと楽な方法があるはずなのに……その姿を見ると、誰もがそう思う。でも、彼は「到達すること」に目的があるんじゃなくて、「どういう道を通って到達するか」に重きを置いている人なんだと思います。
■プロフィール
三池崇史(みいけ・たかし)
1960年8月24日生まれ。大阪府八尾市出身。『十三人の刺客』(10年)