夏まゆみ、世代を言い訳にしないリーダー論「部下は"人として"一緒で対等」 - 高橋みなみに見る、成長言葉の意味
残念ながら謙虚じゃない人もたくさん見てきましたが、やっぱり人として素敵じゃないし、傾聴力を持っていない人の方が多いように思います。たとえばダンスの世界だと、自分に自信を持ったままの生徒はそれ以上、絶対に伸びません。実は、20代前半で劇団に入った時の私がそうでした……。
周りの子たちと比べても、自分には「センスがある」と思い込んでいました。ある時、一人の後輩が入団してきました。その子はとても努力家で謙虚でしたが、ダンスは下手だった。だから、その後輩の存在をまったく気にしていませんでした。でも、ある時ふと見たら、ダンスがすごく上達していたんです。
自分の価値観が揺さぶられるほどの衝撃でした。もちろん、センスがある人が人一倍努力すればさらに上達するわけですが、その後輩から学んだのは「努力はセンスに勝ることがある」ということ。そこから必死に練習しました。
○高橋みなみの成長秘話「15分の自由時間」
――第4章では、「努力は報われると思うか」のアンケートで「そう思う」が30代以下のわずか十数%だったことにも触れられていました。一方、夏さんの教え子の一人、高橋みなみさんは「努力は必ず報われる」と常々おっしゃっていましたね。