"独身貴族"としての生活に飽き! "新たな刺激"を求めて結婚した男
「幸せ」と「不幸せ」というのはX軸の両端でしかなく、人間の充実度にはそれに加えて「マンネリ」と「刺激」というY軸の両端も存在する。「幸せだけどマンネリ」「刺激的だけど不幸せ」という言葉をしばしば耳にするのは、人間の充実度は本来そうやって多角的に測定されるものだからだろう。 そう考えると、人間の文明が築き上げた一般的な人生のパターンとは、非常に良くできているのだ。人間は生まれてしばらくは赤ん坊として過ごし、何年か経つと幼稚園児になり、その後は数年ごとに小学校、中学校、高校と、その人に応じていくつかの種類の学校に生活の中心を置く。そして社会に出てからも、独身を経て結婚し、結婚後も出産や育児、子供の受験、子離れなどといった一里塚が数年ごとに待っている。 子離れにより、熟年夫婦が二度目の青春を迎えてからもそうだ。久しぶりの夫婦の時間は当初こそ新鮮で楽しいかもしれないが、それも何年も続くと飽きてくるもので、そこで子供が結婚したり、孫が生まれたりすることが、マンネリ打破の刺激になったりする。 おそらく、人間は同じような環境やパターンの暮らしを、そうそう何年も続けられないのだろう。
たとえば人生を80年として、学生を卒業するのが18歳~22歳くらいだとすると、それから60年前後もの長い年月が待っているのだ。