市毛良枝、声の仕事にやりがい「何倍もお芝居しているなと感じる」 再び演じる岩谷時子さんへの思いも語る
むしろ、あまり思いを込めすぎると、しつこくなることもあるので。ラジオドラマなど声だけになると、本当に思いを込めて言わないと伝わらず、テレビの何倍もお芝居しているなと感じます」
また、楽器のように人の声が好きだと言い、「声っていいなと。この人の声好きだなと思うと、しばらくその人の話を聞いていたくなるんです。好きな歌手の方も、声が好きな人が好きという感じで」と、自身にとって声がいかに大切なものか語った。
●岩谷時子さんは「知れば知るほど素敵な方」
再び岩谷時子さんを作品として届けたいと思った彼女の魅力について尋ねると、若い頃に岩谷さんの会話を近くで聞いたエピソードを明かしてくれた。
「20歳の頃に、当時の事務所の社長と岩谷さんが話をしていて、私は2メートルぐらい離れたところでお二人の話を聞いているということが一度だけありました。その後も、劇場にいらしているのを何度もお見かけし、越路さんと岩谷さんのお話も近い人からたくさん聞いていました。私は直接お話しすることはできず、もったいなかったなと思っているんです。
もう少し勇気を持って一歩踏み出していたらお目にかかれたかもしれないのになと」
そして、『越路吹雪物語』で岩谷さんを演じることになり、台本のみならず手にできる限りの資料を集めて勉強すると、「知れば知るほど素敵な方だな」