2018年3月5日 11:00
オリジナル映画の担い手たち 第1回 白石和彌監督が語る、邦画の生き残る道「もう結論は出ている」
本人と話すと、ネガティブな発言が多いんですけど、女優に関してはそういう「食いつき」があった。今後、女優をやっていく上で、「あの時、これを経験したから」とたぶん思うはずです。その"はなむけ"は作ってあげたいなと思っていました。
○役者の才能と"シン・ゴジラ"的進化
――監督は門脇麦さんを「パワーファイター」と表現されています。北原さんとの共演シーンは1階と2階で中継するような環境で撮影したそうですね。北原さんに「パワーファイター」の刺激を与える、そういう計算もあったのでしょうか。
別々に撮ってもあのシーンは成立しません。そこだけはこだわって中継して撮ることにしました。
それはそれでシステムを作るのが結構大変で。投写してやっているので、1~2時間復旧に時間がかかったこともありました。
――門脇さんは監督にとってどんな女優ですか?
北原さんと同じように「女優になりたい」という時期があって、腹をくくってここまで来たと思います。いろいろな役が来て、それでも貪欲に日々何かを糧にしてどんどん大きくなっている感じ。『シン・ゴジラ』の進化のような(笑)。
――その秘めた部分は北原さんにも?
もちろん。役者って、実は「天才肌」ってなかなかいないんですよ。
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