オリジナル映画の担い手たち 第2回 綾瀬はるかに見惚れて10年…映画プロデューサーの執念と奇跡
――『ハッピーフライト』の現場で思い浮かんだことが、そのまま今回の設定に繋がっていますね。
そうですね、細かいところは脚本家と詰めました。映画監督を目指す青年は振り回される側。王女と青年の恋愛物語は、本来であれば日本では成立しません。でも、SF設定であればそれが可能になる。それに加えて、実際は存在しない人間と存在する人間が後半で立場が逆転するのは面白いなと。前半がコメディで、後半はまさかの切ない展開になる。それをどう細かく描いていくかがスタートラインでした。
原作モノをやる時は、「原作だからやってはいけないこと」のような制限があるんですが、オリジナルはそれがない分、「観客を楽しませるにはどうすればいいのか」を徹底的に考えられる。「まだ何かある」という欲がどんどんあふれ出て来るんです。
――脚本の宇山佳佑さんと練り続けて。
そうですね。1年半前に編成部に異動したので日中はそっちの仕事をしながら、深夜はファミレスで映画の打ち合わせ。ちょうど映画化が決まった後ぐらいの人事異動だったんです。自分発のものだと脚本家や監督を置いてけぼりにはできないし、キャストもせっかくオリジナルに乗っていただいているのに、「すみません。僕いなくなります」とは言えませんからね。
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