『アウトレイジ最終章』録音部の鉄則とは? 北野武と唯一無二の緊張感
――北野組は他の現場と比べてどのような違いがあるのでしょうか?
やっぱり「緊張感」じゃないですかね。監督はご自身の中で計算をした上で1つ方向性が定まっている方なので、そこへどうやって向かっていくのかが重要になります。必要ないものに関しては、「いらない」とハッキリ言われるので。撮影部もそうだと思うんですけど、自分が納得していなくても監督が納得することもあって、そこにたどり着くまでの緊張感が北野組にはあります。
――北野監督は決断に迷いがない方なんですか?
音楽の出しどころなどいろいろと迷っていらっしゃる姿もお見掛けしました。僕らが作業して仕上げた時、きっと何かで迷われてるんだなと。問題ない時は何事もなく進みますが、無言の時間が本当に緊張します(笑)。
――北野監督を取材した時、基本的にはスタッフにゆだねているともおっしゃっていました。
それが音の打ち合わせで多くを語られないところだと思います。とりあえず、やりたいようにやってみてと。細かい指示は打ち合わせでは一切ありません。
――北野組には長年携わっているスタッフも多いので、役者にとっても独特の緊張感がある現場だそうです。
役者さんも1カット1カット真剣で、すごく緊張感を持って臨んでいらっしゃるのがすごく伝わる現場です。