2018年6月15日 10:00
不幸な作品にはしたくない…『空飛ぶタイヤ』面白さの裏にまずは脚本
影響されまいと思っても、絶対に影響されてしまうので(笑)。
――キャスティングよりも、まずは脚本だったんですね。
企画だけが先行して、脚本がうまくいかないのに映画化しなきゃいけない、という不幸な作り方にはしたくなかったんです。脚本がおもしろいと思っていただいたら、キャストも付いてくると思いました。
実際に出来上がった脚本はスピード感もあり、とても面白かった。数多い登場人物のキャラクターもはっきり出て、原作のエッセンスが凝縮されていたので、「これはいけるんじゃないか」と思いました。
――重厚さもありつつ、すごくテンポが良い作品だなと思ったんですが、そこは狙ってたんですか?
脚本の林さんが打ち合わせで、「今のアメリカのドラマのような感じで行ってみたらどうか」と提案されました。その線でいってみたらうまくいったので、本作は脚本による力が大きいと思いますね。
○大人数をさばける本木監督
――『超高速!参勤交代』の本木克英監督が、というのも意外でした。古い付き合いなんですけど、昔から「社会派のものを撮りたい」と言っていたことが頭にありました。『超高速!参勤交代』でご一緒して、あれも登場人物が多いのに、ものすごくうまくさばいていたので、その手腕も見込んでお願いしました。