読む鉄道、観る鉄道 (6) 『相棒 season 6』 - 日本の豪華列車で起きた密室殺人事件に杉下右京が挑む
と、その唯一の部下・亀山薫刑事(寺脇康文)は、上司から北海道の裁判の証人を護送せよと命じられる。
特命係といっても、実態は使い走りのような存在なのだ。
しかし、今回はふたりともすこしうれしそう。
その理由は護送手段が寝台特急「カシオペア」だったから。
ところが、その車内で殺人事件が発生する。
死亡推定時刻は盛岡駅を発車した後。
列車は函館駅まで停まらない。
つまり、犯人はまだ列車内にいる。
杉下たちは函館駅停車までの4時間で事件解決を試みる。
まるで『オリエント急行殺人事件』をオマージュしたような、上質な密室ミステリー作品である。
さらに日本の鉄道ミステリーで用いられる運転停車トリックもある。
殺人事件が解決へ向かう中、護送する証人が関わる事件がふたつ同時進行していく。
ひとつは東京で起きた爆弾事件。
もうひとつは証人が目撃した暴力団による拳銃密売事件。
「カシオペア」が札幌に到着した後、事件の焦点は2つ目、3つ目の事件に移る。しかし、1つ目の殺人事件の関係者も関わってきて……。
シリーズ物のドラマ、しかも途中回となると、初めて観る人にとってはとっつきにくいかもしれない。