「お金」に興味を持つという事 - セゾン投信・中野社長の半生記 (14) 「良い世の中を創ろうぜ!」の意味が腹に落ちる - そして、チャンス到来!
クレディセゾン本社の事業開発部という部門では、約1年半カード事業というリテールビジネスの世界を初めて体験し、大企業組織での仕事のやり方を知り、金融と全く異なる業界の方々ともたくさん出会う機会があって、それまで16年あまり続けて来た資産運用一辺倒の自分自身を振り返る貴重な時間となりました。
ひとたび運用の世界から離れてみて、資産運用という仕事を冷静に客観視出来る空間に身を置けたわけです。
「長期投資」という概念のとらえ方にも大きな変化を自覚していました。
それはあくまでも自分のための長期投資だったものが、世の中のための長期投資へと視点が変わったことです。
以前こだわっていた長期投資とは、運用者としての自分が実現したい運用手法としてのものだったのですが、長期投資の社会的存在意義をど真ん中に据えるようになったのです。
クレディセゾンという大企業の中で企画される様々な案件は、すべてのコンセプトがひとつのサービスコンテンツとして実行されていく過程で、顧客ニーズを掘り起こしてそこに応えて具現化していくという思考プロセスに基づいていたのです。
そして組織全体にこの思考回路が当然のように根付いて仕事が積み上げられていく。