2012年8月22日 00:40
名古屋は関東なのか関西なのか? 名古屋人ライターが説く!
と聞かれた時に、すぐに説明できるものではない。
我々のDNAといってもよい、血肉に植えつけられているものだからだ。
しかし、東京人の彼には不思議なコミュニケーションに思えたのだろう。
しかもキリスト教宣教師のような理解とゆるしに満ちたまなざしで穏やかに尋ねてくる。
僕は思わず心を打たれ、この質問に対しては論理的にお答えしなければいけないと、回らない頭で必死に考え始めた。
「えーと、わざと間違ったことを言い続けることがボケ。
それに対し、“そりゃなんやねーん”と相手の間違いを激しく追及することをツッコミって言うんですよ」。
それを聞いた編集者は、さらに穏やかに問いかけてきた。
「名古屋でも大阪でも、“それの何が”転げまわるほど楽しいことなの?」。
今度は水を打ったように静かになった車中で、関西人と名古屋人の僕は、じっと彼を凝視するしかなかった。
僕はこの時に初めて「東京人にはボケとツッコミの概念が通じない」というカルチャーショックの洗礼を受けたのだった。そう。
お笑い文化というフレームワークの中では、名古屋は関西の傘下にあると言っていい。
昔から土曜の昼には吉本新喜劇が放送され、テレビやラジオには多くの関西芸人が出演している。