マネー小説 『Dekai! 出界!』 (7) 第1章(7)
だれもが責任から逃げようとする。
国の成長に最も重要な学校教育の現場、そこで起きている深刻な<いじめ問題>も教育組織の責任回避から来ています。
『現場の人間が見て見ぬ振りをする。
事なかれ主義を貫く』-----企業組織でも責任回避は深刻な事態となっています。
それは今、日本で<元気が良い>と評価されている 数少ない企業を見れば分かります。
全てオーナー企業です。
社長が全責任を負っていますから決断が早い。
グローバリゼーションでのビジネス成功に要求されるのは「決断の早さ」です。
契約での決断、投資への決断、事業が失敗した際の損切りの決断……すみやかにそれが出来るかどうかが勝負の分かれ道です。
しかし、大半の日本企業は全く逆の状態です。
『責任回避体制』がコンプライアンス(法令順守)を隠れ蓑に<要件主義>として蔓延し<前例踏襲・横並び主義>が横行しています。
成長のための決断を避けて前にも後ろにも進めず『座して死を待つ』状態に陥っているのです。
リスクを取らずにリターンはありません。
しかし、日本の大半の企業はリスクを取ろうとしていない。
失敗した時の責任を明確にされることを避けている。