2012年12月7日 10:05
米国は本当に”隆盛”に向かうのか? 「新エネルギー革命」で見る米経済の今後
これによって、天然ガスを主原料とする化学メーカーなどの国内回帰が進んでいます。
天然ガスに含まれるエタンやプロパンの産出量が増加し、基礎化学品のエチレンやプロピレンの生産にエタンやプロパンを用いるため、化学セクターの原料コストが低下しています。
さまざまな最終製品に用いられる基礎化学品の競争力向上に伴い、産業資材、家電、自動車、日用品など、川下セクターでも幅広く競争力が向上するのです。
米国企業の国内回帰が進めば、当然雇用の拡大にもつながってきます。
そういう形で、家計への好影響も期待できます。
――企業の国内回帰と国際競争力向上、そして雇用の拡大…「新エネルギー革命」は、すごい影響力ですね。
さらにいえば、電気料金など、家計の光熱費も下がる可能性があります。
そうすると、雇用の拡大とあいまって家計の消費活動の活発化も期待でき、米国経済の”隆盛”へとつながっていくわけです。
――まさに「ビバ! アメリカ」という感じですね。
日本には、安いガスを売ってはくれないのでしょうか?米国は伝統的に自国の資源は輸出しないというエネルギー戦略をとっていますので、難しいのが現状です。