ほかがどうかは知りませんが、その養成所は本当にそれだけでしたね。」
――そこで見事合格して……という訳ですね。養成所ではどんなことをしたのですか?
「そこの養成所は基礎科と実践科のふたつのクラスに別れていまして、まず基礎科で声だしや演技の基本を学びました」
――あめんぼ赤いな~とかですか?
「そうですそうです。基礎の発声や舞台の台本を使った演劇の練習ですね。あとはダンスレッスンなんかもありましたよ」
――ダンスですか!?
「リズム感を養うためのレッスンということで、いっぱい踊りましたね。ほかでは日舞のレッスンをする養成所もありましたし」
――単純に発声練習だけしていればOKという訳ではないんですね。
「声優もテレビや舞台に立つ俳優と本質は変わらないから、と教えられましたね。基礎科でレッスンを積む中で、上のクラスへ上がるためのオーディションが定期的にあって、そこで合格すると今度は実践科でレッスンを受けることができるようになりました」
――実践科ではどのようなことをしたのですか?
「発声練習や演技の勉強はもちろんですが、台本の読み方やマイクの使い方、あとはアフレコについての勉強ですね」