枕(まくら)とは、落語の本題に入る前にするお話のことです。枕は、観客を温める、これからする話の前フリをしておくなどの役割を果たします。この枕が面白い落語家は必ず面白い人です! 枕には多色んな話が盛り込まれます。傑作を集めてみました。
■母子の会話
子「お母さん、アメリカって遠いの?」
母「黙って泳ぎなさい」
春風亭小朝師匠が枕に使っていた小話。小朝師匠のとぼけた感じ、センスがよく出ていると思いませんか?
■右に寄せた
「うちの師匠が脳梗塞(こうそく)で倒れまして。命はとりとめたんですが左半身がまひしちゃうようなことになりましてね。看護婦さんが師匠にそのことを言いましたら、そっとおちんちんを右に寄せました」
同じく春風亭小朝師匠の枕話。
小朝師匠の師匠というと五代目の春風亭柳朝師匠。小朝師匠だけでなく、春風亭勢朝師匠もこのお話をしますし、春風亭一門のみなさんは柳朝師匠のとぼけたエピソードを愛しているのでしょうね。
■林屋きくお(現2代目林家木久蔵)師匠がバカっぽい
「林屋きくお、というのはおかしな人で、一応玉川大学卒業てことになってますがね、そもそも入学したかどうかも怪しいもんですよ。