【エンタメCOBS】重要無形文化財「人形浄瑠璃」のミリョクをROCKに語る現代の太夫
事実、歌舞伎の演目の多くは人形浄瑠璃の翻案ですし、現在でも最高位の太夫に与えられる称号「櫓下(やぐらした)」は、芸事における地位が市川団十郎よりも高いとされます」
■違和感なく融合した江戸と平成の大衆芸能
ナガトミさんと文楽の出会いは6年前。不慮の事故でメジャーのバンドを解散したのちに結成した「wiwiMURPHY」に、現ドラムの竹内さんが加入したところから始まります。
「竹内君は小中学生のころ、文楽人形遣いで人間国宝の吉田蓑助氏に弟子入りしてたそうなんです。それで久々に師匠にあいさつに行った際、当時の兄弟子、勘六さんに再会。それ以来、彼が自分らのライブを見に来てくれるようになりました。
勘緑さんは昔から型にはまらない人らしく、文楽の普及・公演に関する独自の団体『木偶舎』の発足や、UAさん、坂田明さん、元ネーネーズの古謝さんといったミュージシャンとの共演など独自の活動を行ってきています」
そんなアウトサイダーな伝道師がwiwiMURPHYの音楽を聴いて確信。
「一緒にやりましょう」
こうしてロックと文楽のコラボレーションがスタートしたのです。
ちなみに『ON-RAKU』の由来は、太夫・三味線・人形遣いの「三業(さんぎょう)」