2012年12月23日 13:10
【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(27):もしもタイムマシンを作るなら
ブラックホールとホワイトホールをつなぎあわせ、砂時計の両端を切り取ったような形のトンネルを作り、時間と空間を超える技である。
まだ観測されていないホワイトホールを使うのはおとぎ話に聞こえるが、考案者はなんとアインシュタイン博士。アインシュタイン-ローゼン橋と名付けられていたが、虫食い穴にちなんでワームホールと呼ばれるようになった代物だ。
ワームホールづくりの最初のステップは、衝突型加速器を使って原子核同士を衝突させ、クォーク・グルーオン・プラズマを作ることだ。以前紹介した「もしも超高温を手に入れたら」に記してあるので詳細は割愛するが、4兆度を超える高熱と、分解した陽子/中性子で「溶けた量子真空」ができ上がる。
次はクォーク・グルーオン・プラズマを圧縮し、プランク温度と呼ばれる1.4溝(こう・10の32乗)度まで高める。仮にステップ1で10兆度に達しても、この1,000京倍に高めるには全世界のエネルギーを数年間投入することになるだろう。
プランク温度に達したら、負のエネルギーを送り込んでワームホールを拡大する。
負のエネルギーは、10nm(ナノ・ミリ)間隔で近づけた2枚の金属板だけで発生する。