日本文化の象徴として、その過去・現在・未来を見つめる特別展「きもの KIMONO」
新しいデザインが次々と発表され、目新しいファッションに人々が関心を寄せていきました。
寛文期の肩から片身、裾にかけて弧を描くように動きのある模様を大胆に表す特徴的なデザイン様式。幕府の禁令により新たな染めの技法として京都から発展した多彩色による繊細で絵画的な表現を可能にした友禅染。
身分や役職によりきまりがあり、しきたりに応じて着用された江戸大奥の威厳と格式が感じられるよそおい等。各時代の様式の違いがわかりやすく理解出来る、大変見応えのある章です。
上層階級の絢爛豪華な衣装はどれほどの手間暇が掛けられたのか。目を見張る美しさでした。
見返り美人図 菱川師宣筆江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
皆さんもよくご存じの見返り美人図。
華やかな文様と鮮やかな 紅色の振袖姿の若い女性が、振り返る一瞬の描写。玉結びの髪 型、人気女形役者によって広まった吉弥結びの帯。当時の最新 ファッションを描いた作品。
重要文化財 小袖 白綾地秋草模様 尾形光琳筆 江戸時代・18世紀 東京国立博物館蔵
現代でもファンの多い、花鳥の輪郭を簡 略な光琳風に表し、絵画や工芸品のデザ インを手掛けた尾形光琳。