日本文化の象徴として、その過去・現在・未来を見つめる特別展「きもの KIMONO」
男性の外出着は正装が洋服となり洋 装化が進み、一方で女性は第二次世界大戦前まではきもの姿が一般的でした。西洋文化の流入で素材や技法、模様に新しい風が吹き込み、明治 時代に化学染料が輸入され鮮やかな色彩が表現できるようになり、それ らがデザインに大きく反映されました。
アールヌーボー、デコ、抽象な ど模様の変遷が見られます。上流階層の人々の間では洋花や異国風景などを染めた友禅染が流行し、庶民の間では、華やかな模様を染めた銘仙が流行しました。モードが活況となった時代の息吹が感じられる、華やかさと楽しさがある展示でした。
振袖 淡紅綸子地宮殿模様 昭和時代・20世紀 千葉・国立歴史民俗博物 館蔵
大きな波模様を織り出した地紋の綸子に、中世ヨーロッパの宮殿の室内装飾のような模様の友禅染の振袖。窓の格子が黒で彩色されモダンさが強調されています。
■第5章KIMONOの現在
こちらの写真のデザインに見覚えありませんか?!三越のショッピングバッグのデザインは、このきものの模様を元にしています。
友禅の技法で人間国宝の認定を受けている森口邦彦さんの作品。
同じく人間国宝であった父・森口華弘さんが生み出した「蒔糊(まきのり)」