「だめだ」と言われても手放せなかったものたちが、私の“自分らしさ”になった
それは毎日毎日、似合う服もそうでない服もたくさん着て、着るたびごとに向き合い工夫し続けてきた集積がそうさせるのであって、それをし続けてこなければとっさにできることではないのである。これがファッションモデルをする上で一番に大切なことで、ファッションモデルがどんな服を着ていても、それを見た人が「着こなせている」と感じる理由のひとつなのだ。
よく服に“着られる”というが、それは服が体型に合っていないことに気づいていなかったり、立ち居振る舞いが合っていなかったり、とにかくその服と向き合っていないことが原因だと思う。いつでもそのとき着ているものとよく向き合っていれば、体型に合わない服であれば工夫ができるし、服に合う体の動かし方がわかってくる。また逆に、普段の自分の体型や動きにどんな服が合うのかも理解している。これが私の理想とするファッションモデルなのである。
■身につけてはいけないほど似合わないものなどない
ファッションモデルの場合、好むと好まざるとに関わらず、着る服に向き合い続けることが大事だ。けれどファッションモデルでなくても、自分が好きなものは何なのかを探し、似合う色や形、雰囲気を見つけること、そして、兎にも角にも自分自身と服の関係を考えること。