オダギリジョー×永山瑛太。30代で人生の大切なことに気付いたら、仕事への気負いがなくなった
オダギリ:瑛太くんはいろいろと挑戦的に、台本を超えたお芝居を投げかけてくれたから、すごく楽しかったですね。この作品の絶妙なスパイスになってくれたと思っています。
瑛太:ずっとご一緒できたらいいなと思っていたのにすごく時間がかかってしまいましたが、このタイミングだったんだろうなと感じています。なんというか……有意義な時間、でした。
――瑛太さんのなかで、どうしてオダギリさんはそんなに特別な存在だったのでしょうか。
瑛太:たとえばドラマにはドラマの、映画には映画のアプローチがあります。そのなかで僕らの世代は、オダギリさんたちひとつ上の世代の背中を見ながら、「どうやって僕らの時代の新しい何かをつくれるか」ってことを模索し続けてきたと思うんです。だけどオダギリさんは「ドラマ」「俳優」みたいなカテゴリーにはまらず、「アーティスト」として存在していらっしゃった。
仕事を抱え込みすぎて大変なようにも見えないし、ちゃんとオダギリさん自身のペースで、国内でも海外でも活躍していらっしゃったんです。それがやっぱりかっこいいなというか……ずるいなっていうか(笑)。
オダギリ:(笑)。
――見ている側からすると、おふたりそれぞれにずっと活躍を続けられています。