オダギリジョー×永山瑛太。30代で人生の大切なことに気付いたら、仕事への気負いがなくなった
だから「先輩・後輩」みたいな感覚をお持ちなのが、まずちょっと意外でした。
オダギリ:僕のほうはそんなにないですよ。2000年代頭くらいの日本映画界って、インディーズがすごく盛り上がっていたころだし、作家性の強い面白い作品がいっぱいあったんです。だから、年齢的には確かに一世代下なんだけど、大げさにいうと戦友というか……あのころの日本映画をともに盛り上げたチームっていう感覚があります。瑛太くんや(松田)龍平くんとかから、僕もたくさん刺激をもらっていました。逆に、池松(壮亮)くんたちの世代は、あの時代をギリギリ経験していないから、いろんな話を聞きたがってくれるんです。そういうところで、じつはジェネレーションギャップを感じたりしてるんだけど……瑛太くんたちとはそういうギャップがない。だから後輩というよりも、やっぱり刺激を分け合う良い仲間なんです。
■いい意味で「仕事なんてどうでもいい」と思えるように
――そうした日本映画の黄金期も経て、いまのおふたりはとても楽しく、自分らしくお仕事されているように見えます。キャリアが長くなるにつれて、仕事との向き合い方は変わってきていますか?
瑛太:僕の20代は、事務所がちゃんとディスカッションしながらレールを敷いてくれて、すごくいい経験をさせてもらえたんです。