オダギリジョー×永山瑛太。30代で人生の大切なことに気付いたら、仕事への気負いがなくなった
それこそインディーズの日本映画だったり、反対に大きなバジェットの映画だったり、連ドラや舞台だったり、たくさんの現場を踏ませていただきました。それで、2021年の4月からは独立して、いまはすべて自分の責任でやっています。僕は写真も映画も撮りたいし、連続ドラマにも出たいし、街を歩いてキャーキャーも言われたい……んだけど(笑)、いまは焦りがなくなったというか、急がなくていいかなって思っているんです。仕事を遊びの延長線上に置いて、自分の許容範囲を少しだけ超えるくらいのことを、ちゃんとまっとうできたら、と。
――そう思えるのは、20代のうちにがむしゃらにやった素地があるから、でしょうか。瑛太:そうですね。「苦しい」「つらい」みたいな記憶はないんですが、どこかで疲弊していた部分はあったと思うんです。ただ、それは当時の自分に必要なプレッシャーだったんだけど、いまはあんまり必要なくなった気がする。
もっと自由でいいんじゃないかなって。でも、お仕事をいただけるということはやっぱりすごく幸せなことなので、自分がどんなふうに応えていけるかは、毎回きちんと考えていきたいと思っています。
オダギリ:20代ってやりたいことはいっぱいあるけど、未熟だから、やらせてもらえないじゃないですか(笑)。