オダギリジョー×永山瑛太。30代で人生の大切なことに気付いたら、仕事への気負いがなくなった
僕の場合はお芝居だけでなく、音楽をつくったり脚本を書いたりといろいろマルチタスクをこなすことで、逆にすこやかにいられるのかもしれません。
――おふたりは別に「自分らしく生きよう」と思っているわけじゃないんだろうけど、すごく自分らしく生きているように見えます。どうすれば、そうやってぶれずにいられるんでしょうか。
瑛太:僕は、虚勢を張ることはすごく大事だと思いますね。根拠がなくても自信を持って、口に出して言っちゃえばそうなる。「ぶれちゃうんです」なんて言わずに「僕はぶれないです。他人のことはあまり見てないし、意識はつねに内側にあります」って言葉にすれば、自然とそっちに引っ張られていくんじゃないかなと。
オダギリ:そうですね……。
僕は今回のドラマをつくるときにも、周りからは結構「こんな変わった作品をNHKでやるなんて大丈夫か」って心配されたりしたんですよ。でも、ものづくりをするなら、批判や反論が生まれるのは当たり前。むしろ、そういう波紋を広げないものづくりなんて、意味がないと思うんです。だからこそ僕は、議論を喜んで受け入れながらも、このドラマで挑戦したいと思ったんですね。見る方にどう受け取られるかはわからないけれど、どう受け取られても正解だし、それぞれの感性でなにかを感じることがもう素晴らしいんですよ。