くらし情報『テーマが衝撃的。最低で最高なトラウマ体験を。【TheBookNook #27】』

テーマが衝撃的。最低で最高なトラウマ体験を。【TheBookNook #27】

文:八木 奈々
写真:後藤 祐樹

みなさんはこれまでの人生で、“一度読んだら忘れられない本”に、何度出会えましたか……? 世の中は、一生をかけても読み切れないほどたくさんの書籍であふれかえっています。もちろん、それだけの物語があれば、似たようなテーマや、ありきたりとも言える設定の作品も多々ありますよね。

しかしそんな中に、記憶に深く残る作品と、そうでない作品があります。

これは読み手の人生観や置かれた状況にも大きく左右されますが、“有り来たり”の中にも読む前に構えていた感情を大きく捻じ曲げてくる、衝撃的な展開の作品が存在します。

目次

・村田沙耶香 『殺人出産』
・山田詠美『血も涙もある』
・倉井眉介 『怪物の木こり』
・食わず嫌いをせずにいろいろなジャンルを試してみて


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今回は、私が個人的に“このテーマでこうきたか……”と不意を突かれ、忘れられなくなってしまった3つの作品を紹介させていただきます。

テーマにそぐわず読みやすい作品をセレクトしたので、読書初心者の方もぜひ軽率に、上質なトラウマ体験を味わってみてください。

村田沙耶香 『殺人出産』

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あなたには命を懸けて殺したい人はいますか……? この物語の世界では条件を満たせば殺人が合法化されます。

その条件とは子供を10人産むこと……。10人の子供を産めば、一人殺すことができるという、現代に生きる私達からすれば異様ともとれる殺人出産システムが当たり前となった世界で物語は進んでいきます。

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